好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】


黎は、少し微笑んで、真紅の頬に触れながらそう言った。


――現状、真紅は本家筋の娘で、当主候補の一人として目されておかしくない。


真紅が小路を継ぐかどうかは、存在する問題だ。


「……私が黎をお婿さんにもらうんだよ?」


「なら、俺の嫁になってくれるか?」
 

黎の直球な言葉に、真紅の思考回路は慌てだす。言われた言葉が、だんだんと現実味を帯びて、理解を始める。ええと……。


「……私と一緒に、影小路に入ってくれる?」


「桜城の跡取りには架がいる。大丈夫だよ」
 

――黎が、真紅と同じ未来を見ている。


「……はい。よろしくお願いします」
 

真紅は小さく言った。黎の手が、真紅の頬をつまんだ。


「ありがとう。……俺も、今は霊感が少し強い人間と大差ないらしい。力不足だけど、真紅の支えになれるようがんばるからな」


「うん、私も、黎のご家族に認めてもらえるようにがんばるから。……これからは、一緒にいてね?」


「ああ。俺たち、一緒に生きていいんだからな」


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