好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】
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「黎を巡る血の、鬼としての性(さが)だけが浄化された、と……」
病院の院長室の隣にある応接室には、澪と祖父である古人、澪の父で院長の白衣の男性――篤人(あつひと)が、白桜と黒藤と対面していた。
古人は、黎の異変に気付いた澪に急きょ呼ばれたのだ。
だが、古人が到着したころには、総て終わっていた。
「まさか、そのようなことが出来ようとは……」
「始祖の転生の力は、総ては解読されていない。俺たちにはまだ知らないものが含まれていよう。
だが、予定より一日早いが、母上が目覚め、真紅の血の封じが解かれているのも事実。
それを迎えて、黎は退鬼されるどころか、鬼性を含んだ血を吐きだして生きている。
俺と白が見た限りでも、黎から鬼の妖力は欠片も感じられなかった。人間程度の霊力があるだけだ」