もう一度、名前を呼んで2

夜も更けて,ほとんどのメンバーが寝てしまった。明日はバイクで帰らなきゃいけないから一応ちゃんと寝るんだそうだ。真面目だなあ……

あたしはコテージの外にあるベンチに座っていた。部屋の中はいびきでうるさくて寝られないし,そもそもそんなに人がたくさんいるところで眠れるタイプじゃない。ベッドも恋しいし……
まぁ,人がいるのがいいっていう面もあるんだけどね。一人ぼっちばっかりじゃ精神的に疲れる。

それにしても今日はみんなの色んな話を聞いたな~
鳳狼に入ったきっかけや幹部が悠唏に対してあんな風に思っているなんて知らなかった。それに理流の話は衝撃的だったし…

そんなことを考えながら空の星を眺めていると,ふと気配を感じた。そっちを振り返ると…

「みんな……?」

悠唏や理流,龍毅と僚と舜くんのみんながいた。どうしたんだろう

「一人で外にいるのは感心しないなあ~」
「こんなとこで敵がいるとは思ってねえけど,気を付けろよ」
「お前が無駄に強えのは知ってるけど,女だろ!」

「……ふふ,心配してくれたんだ。ありがとう」

そう言いながらみんなはあたしの周りの地面に座り込んだ。ベンチ占領しててごめん……

「な~んでまた凹んでんだよ」
「うん……?」
「お前分かりやすいんだよ,そのくせ全然話そうとしねえし」
「龍毅,そんな問い詰めないであげてよ」
「でも事実だろ」

「…今日,楽しかったか?」
「楽しかったよ」

理流が不安そうに聞いてきたから素直に答えた。もちろん楽しかったよ。

「それなら良かった」
「みんなも楽しかった?」
「もちろん」

悠唏の爆走も見れたしな!と理流が笑うと,それにつられて龍毅や舜くんも笑いだした。悠唏はちょっとおもしろくなさそうだったけど,照れてるんだろう,あの顔は。


「何を悩んでんのかは知らねえけどよぉ」

あたしの目をしっかり見ながら龍毅が口を開いた。

「俺らはももうお前を仲間だと思ってるし,お前が守られるだけじゃ不満だって言うなら自由にさせてやってもいいと思ってる,俺はな」
「自由に……」
「行動も全部監視されてんのが嫌なんじゃねえのか」

ああ……そういうことか。あたしがそれで悩んでると思ってるんだね

「監視されてるだなんて,思ってないよ…現にあたしは誘拐されたことだってあるしみんなにたくさん心配かけちゃったから,こうなるのも仕方ないと思う。だからそこは気にしないで」
「だったらなんでそんなふさぎ込んでんだよ」

真っすぐに見つめてくるのは龍毅だけじゃなくてみんなだ。みんなあたしの煮え切らない行動を気にかけている。……だけど,何を話すっていうの?話せることなんか,ないよ……

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