クールな公爵様のゆゆしき恋情 外伝 ~騎士団長の純愛婚~
「グレーテ様。逃げるにしても、この部屋から出るのは無理そうですよ」
ヘルマンは大分落ち着いたようで、閉じ込められた部屋の中を調べながら言う。
「ええ。ドアを壊すのは無理そうだし、もし出来たとしても大きな音を立てたらさっきの男に気付かれてしまうわ」
「じゃあ、どうすれば……」
ヘルマンは情けない声で呟き、私の隣に戻って来た。
途方に暮れているのが、ひしひしと伝わって来る。
「あなたはここがどこか分かる? 連れて来られた時、場所を特定できるような何かを見た? 私は目隠しをされていたから、何も見ていないのよ。森の中だろうとは思うのだけど」
ベルツ家の領内には森がいくつもあるから、それだけでは特定に至らない。
頼りはヘルマンからの情報なのだけど……眉を下げたおどおどとした顔で考え込む様子を見ていると、期待は持てそうにないと思った。
「俺も目隠しをされていたし、不安で周りのことを気にしている余裕は無かったので、ここに来る迄のことは何も覚えていないです」
「そう……」
案の定の答えに、私は小さく溜息を吐く。
ヘルマンは大分落ち着いたようで、閉じ込められた部屋の中を調べながら言う。
「ええ。ドアを壊すのは無理そうだし、もし出来たとしても大きな音を立てたらさっきの男に気付かれてしまうわ」
「じゃあ、どうすれば……」
ヘルマンは情けない声で呟き、私の隣に戻って来た。
途方に暮れているのが、ひしひしと伝わって来る。
「あなたはここがどこか分かる? 連れて来られた時、場所を特定できるような何かを見た? 私は目隠しをされていたから、何も見ていないのよ。森の中だろうとは思うのだけど」
ベルツ家の領内には森がいくつもあるから、それだけでは特定に至らない。
頼りはヘルマンからの情報なのだけど……眉を下げたおどおどとした顔で考え込む様子を見ていると、期待は持てそうにないと思った。
「俺も目隠しをされていたし、不安で周りのことを気にしている余裕は無かったので、ここに来る迄のことは何も覚えていないです」
「そう……」
案の定の答えに、私は小さく溜息を吐く。