捨てられた町
町中のお店はまだ明かりが灯っていた。


店の中に入り、ミミを見なかったかと聞いて回る。


「そのウサギなら山の方へ行ったよ」


本の駄菓子屋はそう言って、蛇女が暮らしていた山を指さした。


「あの山か……」


カエルが呟く。


「この時間から山に入るのは危ないぞ。いくら土地勘があっても、迷子になる」


本が心配してそう声をかけてくれた。


「そうかもしれないけど、行かなきゃ……」


僕はそう呟いた。
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