捨てられた町
顔をしてかめて上半身を起こすとメマイを感じた。


「何をしている」


その声にハッとして振り向くとカエルがピョンピョンと飛んでくるのが見えた。


「こんな森の中1人で下山するなんて無茶な事だぞ」


カエルのハスキー声に怒りが帯びているのがわかった。


僕がカエルの忠告も聞かずに勝手な事をしたことを怒っているのだろう。


だけど今は謝っている暇もカエルの気持ちを考えている暇もなかった。


森の中からあの化け物が追いかけてきているのだ。
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