捨てられた町
「あぁ。小学校も中学校も、病院もある。俺の持ち主や、ルキがいた町だ」


本の言葉を聞きながら僕は自分が通っていた学校を探して行った。


見覚えのある公園やマンションが湖の中に見える。


そうこうしている間に、湖の周りにはいろんな物たちが寄ってきていた。


みんな熱心に湖面の中にある街を見ている。


「みんな何を見てるんだ?」


「自分の持ち主を見てるんだよ。自分がいなくなった後も幸せでいるのかどうか、心配なんだ」


「こんなに小さく見える町で、自分の持ち主を探す事なんてできるのか?」
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