Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
「死んでも嫌とか相当嫌われてんな、福嶋」
面白がるようにそう言ったのは柏田さん。
柏田さんはパイプ椅子の背もたれに片肘をついて寄りかかると
後脚に体重をかけ、器用に前脚を浮かせながらタバコに火をつけた。
「ただの偏見ですよ。な? 村瀬」
涼しい顔であたしを見上げて言う福嶋くん。
「村瀬に言わせれば俺は相当“穢れてるッ!!”ですから」
恐らくあたしの顔真似をしたんだろう、福嶋くんが苦りきったしかめっ面を向けてくる。
その憎たらしい顔をあたしは思いきり睨みつけてやった。
なんだか福嶋くんと異動したくない理由が妙な方向にいっちゃったみたいだけど。
もうこの際どうでもいい。
どんな理由でもいい、
それで異動がまぬがれるなら福嶋くんを悪者にしたって構わない。
いや、福嶋くんには“悪者”になってもらう十分すぎる理由があるよ。
あのフザけた『村・瀬・店・長♪』には
あたし本気で怒ってるんだから!!
「ぶはっ…なんだ、そんなことで嫌ってんの?」
あっけらかんと笑いながら柏田さんがタバコの煙を吐き出す。
柏田さんの発言の一部にちょっとカチンときた。
「“そんなこと”って言ってもですよ!?」
すかさず柏田さんに噛みつく。
「福嶋くんの場合は度合いが違います!
“そんなこと”で片づけられないんです。
この人の穢れ度合いは!!!」