Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
「…そっか、店長と副店長は同じ行き先選べないんだな…」
FAXに目を通すとそんな注意書きがある。
たしかに責任者が両方ともいなかったら何かあったとき困るよな。
「…福嶋くんはどっちにする?」
身体を起こした俺の隣にちょこんと座って村瀬が訊いてくる。
たしか去年も一昨年も俺も村瀬も西崎さんと同じ北海道組だったよな。
西崎さん…
どうせ今年も北海道選んでるだろうな。
あの人が南国ではっちゃけてる姿とか想像できないし。
…となると村瀬が北海道を選んだ場合、
俺も柏田さんもいない地で西崎さんと村瀬は実質2人っきり…?
・・・
何となくドロドロした感情が胸に湧きあがってきた。
「ん?」
気づくと村瀬のことをじっと見ていた俺を、無垢な瞳で見つめ返してくる村瀬。
この澄んだ瞳に社員旅行中の3日間、西崎さんしか映らないと思うと…
「…」
……気に入らねぇ。
――すこぶる気に入らねぇ。
…はっきり言って妨害決定だろ、これ。