Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完



「よし」



人知れず気合いを入れて携帯をバッグにしまう。



ついでに履歴書をちゃんと持ってきたことも確認した。



前に面接に来たはいいけど肝心の履歴書を忘れてきてしまうという、とんでもないポカをやらかしてしまったことがあったんだよね。



あれ以来、バイトの面接を受けるときは必要以上にチェックするようになっちゃったんだ。



「履歴書よし」



あとは身だしなみ。



バッグからコンパクトを出して服装や髪、メイクの乱れがないかチェックする。



メイクは好印象を持ってもらえるナチュラルメイクだし、特に崩れているところは見当たらない。



髪は風ですこし乱れただけだから手ぐしで整えて…



「よし」



身だしなみの最終チェックを終えて、もう一度気合いを入れた。



自動ドアの前でちいさく深呼吸をして、ドキドキと高鳴る心臓を手でそっと押さえながら店内へとゆっくり足を踏み出す。






お店の自動ドアが勢いよく開いた――。






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