Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
「あー…あんた、ちょっとコレ貸して」
突然降り出した雨に困惑していたら、福嶋隼人くんという男のコは床に落ちた衝撃で半開き状態になっていたコンパクトを拾いあげる。
雨で濡れた髪やシャツをチェックし始めた。
「……」
…はぁ
いくら外見をバッチリ決めたって無駄だよ。
その髪の色、その格好じゃ…
絶っ対に不採用になるに決まってるって。
だけど…
よくよく見るとこの男のコ…
エキゾチックな顔立ちが効いてるせいかなぁ
モデルか芸能人でも通用するくらい美形だ。
そのうえ身長も高くてがっしりした体型で、はだけたシャツの胸元からは19歳とは思えない引き締まった厚い胸板がのぞいている。
ワイルド&セクシーって感じだ。
あたしはタイプじゃないけどきっとめちゃめちゃモテるんだろうなぁ。
そして…女性関係は見たまんま派手そう。
「ありがと。助かった」
手の上にぽんとコンパクトを返された。
なんだ…
見かけによらずちゃんとお礼が言える人なんだ。
しかもそんなことを思っている間に床に散乱していたあたしの荷物も全部拾い集めてくれた。
最初の第一声こそ怖かったけど根はいい人なのかもしれない。
でもきっと面接はアウトだよ。
柏田さんが、西崎さんは人を見た目で判断しない人だって言ってたけど、さすがにこの格好・この髪の色で接客業の面接はないと思う。
可哀相だけど一発退場ならぬ一発不採用だよ――。