マリッジブルーの恋人たち

ーそんなつもりじゃなかったー 昴side

 何度かけても電子音と、留守電のアナウンスしか聞こえないケータイを握り締め、俺は慌てていた。

 手にはさっき無理矢理握らされた指輪がある。
 
 今日は、自分達の結婚を同期と後輩が祝ってくれるというため、居酒屋ダイニングに集まっていた。

 玲奈は仕事で遅くなるから、後で参加する予定で、親友の新垣静華と一緒に来ることになっている。

 居酒屋ダイニングについて、1時間立とうとしていて
気がついたらお酒が進み同期のメンバーと俺は、ほろ酔い気分になっていり、後輩たちは、まだ来ない玲奈に遠慮してか男性社員までもが、ジュース・烏龍茶を飲んで待っていた。

 男女ともに、後輩から慕われることが多い玲奈。

 そう言うところも好きだった。

 俺と玲奈の同期は後、6人いる。

 俺たちを学生時代から知っている静華、その旦那で俺とも気が合う新垣伊久斗。俺の目の前に座る男3人に、入社した頃から付きまとってくる同じ営業部の、七瀬比菜子(ななせ ひなこ)。

 今日もいつの間にか、玲奈が座る主役席の俺の隣に、七瀬は座っている。

「七瀬、そこ武藤の席だろ?」

「も~、いいじゃないですか!まだ来てないんだし。それに、これからずっとあんな地味な人の隣にいないといけないのに?今くらい、綺麗な子の隣にいたってバチは当たらないとオモイマ~ス。」

 
 
< 11 / 86 >

この作品をシェア

pagetop