マリッジブルーの恋人たち
「こんなこと言うつもりなかったけどさ。七瀬に何されても惑わされない自信ありまくりだから。」

「ひっひどい!!」

 真っ赤になり、今にも泣き出しそうな比菜子は声を荒げる。

「どっちがひどいだよ?今まで玲奈にしてきたこと忘れたとは言わせないからな。」

 睨み付けられ、比菜子は怯んだ。"玲奈にしてきたこと"とは、どこまで知られているのだろうか。

 仕事の資料をわざとシュレッダーにかけたことだろうか。
 それとも、資料倉庫に閉じ込めたことだろうか。
 はたまたセクハラじじいと二人きりにして、セクハラされるよう仕向けたことだろうか。

 挙げればキリがないくらい、嫌がらせをしてきたのだから心当たりが有りすぎる。

「玲奈は俺に言ったりしないよ。でも、あいつのことなら言わなくても分かる。それに、あいつは、地味な女じゃないよ。何せ高校時代ミス・キャンパスだし。」

 比菜子はそのセリフに目を見開いた。

 以前、静華が準ミスだったと聞いたとき、そのセリフにまさか静華以上の人物がいたのかと驚いたのを覚えているが、その人物が玲奈とはにわかに信じがたい。

 今の玲奈からは創造出来ないからだ。



 
< 46 / 86 >

この作品をシェア

pagetop