マリッジブルーの恋人たち
　二人が話してると、静華の連絡を受け、旦那の伊久斗がかけつけた。

　そのため、玲奈の妊娠は三人が知ることになったのだ。

　翌日、退院することが出来ずに玲奈が出勤したのは火曜日だった。

　電話を充電することも出来ず、昴からの着信を知らない玲奈は、昴が会社の前で待ち伏せしているとも知らずに、玲二の車で会社に来たのだ。

　その様子を他の社員に見られていた。

　心配して会社のギリギリまで車を横付けして下ろした玲奈を見つけた昴は、すごく不機嫌な顔をして、声をかけてきた。

「玲奈、何で電話にでないんだよ！」

　挨拶もろくにせず、第一声がそれだったため、本人たちに任せて帰ろうとした玲二は、車から出てきて昴に掴みかかった。

　咄嗟のことに昴は驚ろきよろめいた。玲奈は、"ちょっと玲二！！"と仲裁に入った。

「第一声がそれかよ！！もっと話すべきことがあるだろうが！！」

「玲二には関係ないだろ！」

「ふざけんな！！玲奈は、電話に出ないんじゃなくて、出れなかったんだよ！」

　そこまで玲二が話すと、それまで玲二に注がれていた昴の視線が玲奈に向けられた。

「えっ……！」

「ちゃんと話したいんだ。だから、ちゃんと昴も話して。ちゃんと受け止めるから。」

　動揺した昴の視線と、何かを決意した玲奈の視線がゆっくりと交わる。

　この時、結婚式まで２ヶ月だった。
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