あの夏の続きを、今

隠した想い





【2014年 10月下旬】





いつものように朝練のため音楽室に行く。


部長さんが出欠をとってから、みんなに向かって話し始める。


「えーと、実は、来年のコンクールのことについて2年生で話し合って決めたんですが…

今年は最優秀賞を取れなかったので、来年はもう一度B部門に出て、リベンジを目指そう、ということになりました」


部員たちがうなずく。部長さんは続ける。


「それで、去年はコンクールの曲を練習した期間が短くて、十分な準備ができないまま本番に挑んでしまったっていうのが、失敗の大きな原因だと思うんです。

だから、次のコンクールに向けて、この時期からこれからの本番の曲とか卒業式の曲とかと並行しながら、少しずつコンクールの曲を練習していって、1年生が入ってくるまでにはもう吹ける状態にしておこう、ということになりました。

なので、今日は、そのコンクールの曲の楽譜を配ろうと思います」


そう言って部長さんはパートリーダーを集め、楽譜を渡す。


もう、来年のコンクールを見据えた練習か。


確かに、今年は、吹奏楽祭が終わるまではコンクールの練習なんか全然していなかった。


まだ10月中旬。この時期から来年に向けて練習するからには、何としてでも、先輩たちの取れなかった最優秀賞を取らなければ。


そんな使命を感じる。
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