あの夏の続きを、今
「そういえば広野さん、なんか浜百合高校の先生から勧誘されたって話聴いたけど、本当なの?」
松本先輩が涼しい顔をしていきなり聞いてくるので、私は「えっ、なんで知ってるんですか!?」と、思わず飛び上がりそうになってしまう。
「コウキ……山内さんのお兄さんが広めて、元J中の人たちの間でだいぶ噂になってるよ」
「そ、そうですか、やっぱりカリン兄妹繋がりでしたか……」
「いやー、それにしても浜百合って凄いよね。スカウトされるなんて相当才能あるってことだよね。僕は中学の時から、なんとなく広野さんはすごい才能を秘めてるなって感じてたけど、正しかったみたいだね」
「そんな、そ、それほどでも…」
「それで、広野さんは浜百合高校に行くの?」
「いやー……まだ、決められてないんです。……その、私は元々東神に行きたくて、こっちに残ってまた先輩とかいろんな人と高校でも一緒に吹きたい気持ちもあるし、でもせっかくのチャンスだし、全国目指したい気持ちもあるし……
東神か浜百合か、どっちかにするのはもう決めてるんですけど、その2つのどっちを取るかでずっと迷ってるんです」
「そっか、でも、出願はまだまだ先だと思うから、じっくり考えて決めたらいいと思うよ。僕はどっちに行っても応援してるからね」
「はいっ」