あの夏の続きを、今


やがて、私たちは帰る方向の分かれる交差点の手前まで来た。


そこで少し止まって、話を続ける。


「もう少ししたら、6月の定演のチケットが出ると思うから…また、そっちに先輩が宣伝に行くと思うよ」

「本当ですか!?楽しみにしてます!」

「ところで、A部門の練習は、上手くいってる?大変じゃない?」

「2曲いっぺんに練習するのは、やっぱり例年と比べると大変ですね。

ただ、今年は入学式の入場曲と、吹奏楽祭の曲を課題曲のマーチにしたんで、その分少し負担は軽くなってるんじゃないかな、とは思ってます」

「吹奏楽祭はいつあるの?」

「6月の○日です」

「あー、定演の前日……見に行けないや、ごめんね」

「いえいえ」

「そういえば課題曲Iって、トランペットのソロあるよね。あれ、誰がやるの?」

「カリンがやることになってます。私は2ndです」

「え、広野さん1stじゃな……あ、そっか、前、低音に向いてるって言われたみたいな話、してたね」

「はいっ」
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