必然的な運命
「あと、これは余談なんだけどさ…… 」

そう言って紗也が少し畏まって話し始めた。

「専務を庇うわけじゃないんだけど…… 本当に麻美のお父さんに嘘ついたのかな?って。 実家の病院だとは言えそんな権限あると思う? 」

確かに。そこは私も少し変だと思っていた。

「嘘を吐くくらいなら最近から精密検査なんてさせなければいいのに。 わざわざ促しておいてってのも何か変じゃない?」

お父さんは検査するほどでもないって言っていたけど千秋がした方がいいって半ば無理矢理に説得させたと言っていた。

お父さんは自分のことは本当に無関心というかズボラだったから誰かが言わないと行動しない人だったし。
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