[完]その口、利けなくしてやるよ。
「幹部の発表をします」
これだけは、どれだけ考えても考えきれなかった。
どうしても私が総長って言うのだけは納得がいかなかったの。
だって、やっぱり……
「幹部からいくね」
「条南壱、情報収集のリーダーを任せる。
佐伯輝星、総長と副総長の二人を完全に支えてもらう。
郁嵯峨 颯、ハッキング並びに頭を使う系統の仕事を任せる。」
「西園寺 美思、情報収集のサブリーダー並びに…姫になってもらう。……姫は置かないつもりだったが、やっぱりいた方が結束が高まると思ったから。それと、美思には救急もしてもらう。」
ついに副総長、総長の発表ときた。
皆は真剣に聞いていてくれた。
「篠須光都、副総長となってもらう」
その瞬間に、どよめきが生じた。
多分誰もが、総長だと予測していたんだろう。
「理由か、理由は…確かに光都には総長としての威厳がめっちゃある!けど…今度は支える側となり、冷静に判断できるからこそ、その判断力で総長を支えて欲しいんだ。周りを見る余裕もあり、その中で……」
光都の目を見ると、静かに微笑んで、頷いた。
「蘇相 光瑠、総長を任せる。一番、なるべきだ。奏風のことも。含めて……」
光瑠だからこそ出来ると思う。
奏風と誰よりも親しくしてた…人の傷をわかることが出来る。
光瑠……お前なら皆が着いていきたいと思えるような総長に、族に出来るんだ。