ぶっ飛びプリンセス
「あの侍女は…残念ですが。無理でしょうね」
「なんで切ったの?!武装も何もしてない女の子なのに!最低っ!!」
なんでそんなにケロっとしてるの?
「泣かないで下さい。ルナ様…」
そう言って触れてくる騎士の手を叩く
「触らないで」
私の肌に触れていいのは…リオン様だけ
アイルを切ったその手で触れないで
私が叩いた事で怯んだ騎士を振り切り逃げる
木が生い茂る森の中を、無駄にレースの付いたドレスで走る私
ソレを追いかけるのは、動きやすい騎士の服を着た騎士
森を抜けた
抜けたと思ったらそこは川で足場が悪く転ぶ
そして、再び捕まる
息の上がった私に対して、汗一つない騎士
悔しいぐらい敵わない
「逃げないで下さいよ」
「やだっ…離して…リオン様の所に…帰りたい」
昨日までのあの時に帰りたい
リオン様…