ぶっ飛びプリンセス

城を出発して、向かうのはガルデニア

ルナが乗る馬車の前に、俺はカロンと並んで進んで行く


「リオン様もルナ様と一緒に馬車でもよかったんですよ?」


隣を並走するカロンが言う
確かに、それも考えたけど…


「馬に乗ってた方が…余計な事を考えないで済むからな」


馬車の中は本当に暇だ
何もする事ないし

する事ないと余計な事を考える時間が出来てしまう

ルナは里帰りだから気が楽だとおもうが、残念ながら俺は胃が痛いほど緊張している

ルナの両親に会うんだ

娘を"嫁を寄越せ"と言う手紙一つで、俺に差し出したルナの両親
何を思って嫁に出したのか…
考えただけで胃がキリキリしてくる


「はぁ…」

「リオン様…緊張してるんですか?」


ため息を出すと、カロンが俺の顔色をうかがってきた


「胃が痛いんだ」

「色々な難しい仕事を涼しい顔してこなしていた王子がそこまでとは…しかし、ガルデニアではシャンとして下さいね?」

「あぁ、わかってる」


それまでに、表の顔だけは作らないとな…


ーーーーーー


< 243 / 316 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop