御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
リスクが大きいと話していた株のことだろうか。
桑田さんは来客があり、別室で対応している。


「そうか。やっぱりダメだったか。だが、リスク回避の手は打ってあるから問題ない」


一木さんはすこぶる落ち着いていた。


「いえ、実は前場で……桑田さんが大量に買い入れの指示を出しまして……」


佐橋さんが申し訳なさそうに言うと、一木さんの顔色が瞬時に変わる。


「大量? そんなことは許していない」

「はい。止めたんですけど、絶対に大丈夫だからと」


それから佐橋さんに差し出されたデータを手にした一木さんは、「はっ」と短い息を吐きだし、天を仰いだ。


「指示した十倍を買い入れたということか。これでは、他でカバーできない」


一木さんの大きな声に、フロアに響いていたパソコンのキーボードを打つ音がぴたりと止んだ。


「肝心の桑田は?」

「接客中です」

「すぐに呼べ」


桑田さんのチームの人たちが、呆然としている。
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