御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
「まさか、英莉が。英莉はここの仕事だって完璧だったじゃん。バイトなのに社員より手際がよくて接客だって素晴らしいって店長がいつも言ってた。だから、上の会社の人に認められたんだよ」

「ありがと、あゆみ。へこんでる暇があったら、努力だね」


あゆみと話せてよかった。元気が出た。


「またカフェモカ飲みにおいでよ。英莉は根を詰めちゃうところがあるから心配」

「うん。プレジールのカフェモカはやっぱ最高」

焦らず、じっくりだ。

桑田さんは私の仕事に対して怒っているわけじゃない。
私はコツコツと一木さんの下で働くだけ。


あゆみのおかげで気持ちの整理がついた私は、それから帰って一木さんのために食事を作った。

洗濯物も畳み、掃除機もかけ……お風呂もピカピカに磨く。

仕事が終わってからなので、全部頑張らなくていいと言われている。
でも今日はやりたかった。

自分は家政婦なのだと、自分に言い聞かせたかった。


ただ、それがどうしてなのか……よくわからなかった。
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