御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
「読み誤りというか、状況の変化があって当たり前だ。それで津川は、この株、手放したほうがいいと思うか?」

「いえ。もう底をつくはずです。また必ず上がってきますので、むしろ買いかと」

「そうか。それじゃ追加で注文を出す。そのタイミングは津川に任せる。万が一上がってこなかったとしても、他でリスクを回避しろ」


下落しているのにまだ買うんだ……。
素人の私には理解できない世界だけど、この人たちが言うなら間違いない気がしてしまう。

それに、津川さんが淳也さんを信頼しているように、淳也さんも津川さんのことを信頼していることがよくわかった。


「それじゃあ、次」


淳也さんが次のリーダーに話を振ったところで、会議室をあとにした。


「社長、か……」


淳也さんなら十分やれると思う。
もう離れないと決めた私は、彼にふさわしいと認められるように頑張るしかない。


「よし」


私は気合を入れなおし、自分のデスクに向かった。
< 300 / 344 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop