御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
「失礼、します」


仕方なくそーっと開けてみたが、淳也さんの姿はない。
どこにいったの?


「あれ?」


誰もいないと思ったのに、ピカピカに磨かれた革靴の先だけ、大きな机の陰から飛び出していた。


「寝てる……」


まわりこんでみると、イスを三つ並べ、その上に器用に寝ている一木さんがいた。
大丈夫、なのかな……。

私は自分のカーディガンを脱ぎ、彼にそーっとかけて部屋を出た。


「一木さん、どう?」


すると津川さんが待ち構えている。
『どう?』というということは、私を見に行かせたのかもしれない。


「寝ていらっしゃいました」

「はー、そうか」

「あの、今、そんなに忙しいんですか?」


津川さんなら知っているはずだと思い、尋ねた。


「うーん。ちょっとおいで」


彼は私を促し、隣の接客ルームに入っていく。


「実は、一木さん、今すぐの社長就任を自分から望んだんだよ」

「自分から?」


打診されたんじゃなくて?
< 306 / 344 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop