放課後4時10分、校舎5階で君を待つ。


マネージャーとしての腕は、2年のマネージャーより全然いいんだ。

だけど。


「大地ー。まだここに居たのか」


準備を終えた平松が、部室から出てきた。それに気がついた琴美は失礼しますね、と言ってそのままグラウンドのほうに行ってしまった。


「お前よー」


平松が俺の隣に並んだと同時に、歩き出す。二つの長い影が、ゆらゆらと揺れ動く。


「んだよ」

「アイツとは距離置けって言ったろ?アイツは間違いなくお前が好きなんだから」

「何を根拠に」

「お前、いつから鈍くなったんだよ。前まで自分に好意のある女なら、薄らと気づいて自分から一線引いてたのに」

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