きっと2人は恋をする
「ゆきちゃんの掃除場所って生徒玄関だよね?帰るのに丁度いいじゃん!!」

「あぁ……確かにな。あ!!直ぐに帰らずに遊びに行こうぜ!!」

「夏樹君、それいいね。私も遊びに行きたいな」

「真昼が行くなら俺も行くか。帰りが一緒なんだから一緒に帰ったっていいだろ」

ほんと、つーくんは寂しがり屋なのに強がるんだから……。

じゃあ、行こうかと言おうとした瞬間、やめてくださいという声が聞こえた。

「この声はゆきちゃん……?」

「何かあったのかな?小春ちゃん、行ってみよ!!」

私達は生徒玄関外へ走って向かった。

辿り着くと雪ちゃんが男子生徒に絡まれていた。

「なぁ、雪ちゃん。いいだろ?今日の放課後は俺たちと一緒に遊びに行こうぜ〜」

「そうそう、いつもいるあの5人より絶対楽しいって」

……失礼な人達だ。ゆきちゃんにナンパしてる事と私達を侮辱するなんて!!

私は怒ってナンパしてる男子生徒に平手打ちでもお見舞いしてやろうと歩き出したのだが、ひろくんに抑えられてしまった。

「はるちゃんが怒るのも分かるけど、ここは僕に任せて」

そう言ったひろくんは私達の前を進んで歩いていった。

「あ、すみません。ナンパしてるとこ悪いんですけどこの子俺の女なんですよ。だからお引き取り願いたいんだけどな」

「…は?」

「ちょっと、大空。あんた、何言って…」

反論しようとしたゆきちゃんにひろくんが耳元で小声で言った。

「話を合わせて」

ゆきちゃん小さく頷いてひろくんの隣に並んだ。
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