[実話]16歳〜私の生きた道〜
健さんからメールが来ていたのに、半日以上たってやっと気づいた。
《大丈夫?》
《美沙?》
《気づいたら連絡して。》
涙がまたこみ上げてきた。
心配かけてごめんなさい…。

手術をして助かる確率は低い…。
失敗して死ぬかもしれないし今はできる状態じゃないから手術はしないと健さんにつたえると、
「手術の成功率が上がるまで生きて、手術しても死なないようにしたらいいよ」
と、言った。
そうだ…まだ先がなくなったわけじゃないんだ。
私にはまだ希望がある…。
免疫力が低下し体力を奪われて、ちょくちょく体調を崩す私に健さんは入院をすすめた。
「元気になったら、また会えるから」
だけど私は、すぐに入院することを決意できなかった。
入院したまま死んだら二度と健さんに会えない…。
入院したまま二度と外へ出れないかも知れない…。
いろんなことが浮かんでは消え、浮かんでは消えていった。
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