[実話]16歳〜私の生きた道〜
先生が気づいて駆けつけた。
「美沙ちゃん、どうしたの?」
本当のこと言いたかったけど、母親に知られたら何をされるか分からなくて、
「気持ち悪い…」
ただそれだけ言った。
身体が弱い私は、怪しまれもせずに家に帰された。
家に帰って、お弁当箱を台所に持って行くと、母親がニヤニヤしながら話しかけてきた。
「美沙、今日のお弁当美味しかったでしょう?」
「うん…」
金魚のことを言ってるんだ。
ひどい。
きっと苦しかったに違いない。
生きたまま油で揚げられて、母親も同じようになればいいのに。

いつからか、夜いきなり外に出されるようになった。
暑い夏の日も雪が降る日もどしゃ降りの雨の日でも、おかまいなく。
母から花のような香りがする日。
こういう日は必ず男の人が家に来る。
男の人が来ると何で外に出されるんだろう?
今日は、どれくらいで家に入れてくれるの?
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