ヒマワリの嘘
*・*・*
「ここが、霞草学園」
私はタクシーを降りるとトランクからキャリーバックを取り出し、校舎へ向かって歩いた。
これが…学校
「久しぶり、日葵ちゃん」
大きな校舎をボーッと見ていると、横から電話で聞いた声が私の名前を呼んだ。
「あ、初めまして
…じゃないんでしたよね?辰也さん」
「そうだね
まあ、会ったのは随分と前だよ」
そう言ってニコッと笑う辰也さんは
スーツを着て銀縁のメガネを装着し、仕事マンという感じの男性だった。
「そうですか
覚えてなくてすみません」
私はまた、苦い笑みを浮かべた。
「立ち話もなんだから、ゆっくり話そうか」
「はい」
なんでたろう
この人と話しているとすごく安心する。
優しい笑顔で話す辰也さんに、私は何故か懐かしさを感じた。