夜空の下で星を見ながら
顧問の先生に絵を提出してきた。
ついでにいい話も聞いた。
学校の近くに綺麗な夜空が見れる場所があるらしい。
行こ。行くしかない。
ちなみに主役の絵の方は……
満足そうだったからいいや。
ぐぅぅぅ〜。
お腹がすきました……
「お昼ご飯をチュロス1本は少なかったかな……」
お腹をスリスリと擦りながら廊下を歩く。
さっき言ったように私はコミュニケーションをとるのが苦手だ。
ということはもちろん彼氏なんていたことがない。
逆に、それでいたらビックリなんだけど。
でもまあ、私にだって年相応の恋愛観というものがある。
告白されたことがない訳じゃない。
私は男子の中では"絵の女神"とか呼ばれてるらしい。
やんちゃな中学生か、お前らは。
でも、告白は全て断ってる。
訳わかんね。
幼馴染みの男の子を今もまだ好きだからとか、そんな理由ではない。
なんというかその……私の身体目当てで付き合おうとしてくる男子ばかりなのだ。
いやもう、目つきでわかる。
まりもっこりみたいなむふふな目をしていたら誰だってそう思う。
男なんてろくなもんじゃない。
そういえば、今は1学期の中間考査が終わったばかりなので今どき高校生達は遊びたがりだ。
それはもちろん、友達がいない訳ではない私も同じで……
ピロンッ
「うっひゃあ!?」
私と同じく廊下を渡っていた生徒達が、奇声を上げた私を忌避の目で見てくる。
たかだかスマホにメッセージが届いただけなのに……
恥ずかしい。
逃げるように自分の教室へ駆け込んだ。
『南雲』と書かれた自分の机に勢いよくダイブして、見事に着席する。
しばらく机に突っ伏していたけど、スカートのポケットからスマホを取り出してメッセージを確認した。
差出人は数少ない友達の1人、西川紗彩(にしかわさや)だ。
彼女とは出席番号が隣なので入学式の時に仲良くなった。
同じく美術部の同志。
ちなみに絵は私より上手い。
見た目は顔、身長共に幼く、下手したら小学生に見られるんじゃないかという感じだ。
少し茶色がかった髪を腰まで伸ばしていて、胸はぺたーん。
「へくちっ!」
おうおう。
どこかで噂されてるらしい。
紗彩ちゃんごめん。
紗彩ちゃんの紹介はここまでにして、メッセージの内容だ。
『調子はどうかねつむつむ! 明日土曜日だしどっか遊びに行かない? 行くよね? いやまあ、絶対連れてく。てなわけで予定空けといて!』
むむっ!
明日は夜空を見る予定が……
日曜日は曇り空らしいし。
でもまあ、さすがに夜には帰れるか。
そう結論づけた私はスススッとメッセージを返した。
『オーケー。多分行く(苦笑い)』