先生、もっと抱きしめて
「お待たせ。えっと……」

マツタクは赤のボールペンを引き出しから出して、私が解いたプリントを手に取った。
そして、少しの沈黙の後、「ん~~まぁ、いいか」と中途半端な感想を述べられた。


私は立ち上がって、「え。できてない?」と先生の隣に立つ。

「まあ、最初よりはマシってことでいっか。家でも続けろよー」

「ん~」

「おい。そこは『ハイ』だろ」

苦笑するマツタクの笑顔に、ちょっと頬が赤くなった。

ああ、顔熱い……。


「期末の結果楽しみにしてるな」

「楽しみにしないで。……先生のイジワル」


わざと唇を尖らせて言ってみると、マツタクは顔を上げて私を見つめる。
その眼差しにドキリとして、慌てて目を伏せた。
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