気まぐれ男子にご注意ください!



しーちゃんは、私のことを思って、周りのこと見ろって言ってくれてるんだろうけど。





「む、むりだよ!神田くん以外なんて…」





やっぱり私には神田くんしかだめなんだ。





「まあ、はおの男性恐怖症が神田のおかげで治ったのはしってるけど…」





困った顔をしてるしーちゃんに、心の中でごめんねと謝る。




実は私は、過去の出来事が原因で、神田くんに出会う前男の人がみんな怖かった。


話すのは愚か、近くにいることすらダメで、満員電車に乗らなくて済むように1時間ほど時間をずらして早く行っていたくらいだ。



でも、高校一年生のある夏の日。


神田くんに出会ったあの日から、私の男性恐怖症が嘘のように治った。




神田くんにとっては、いつもの気まぐれだったんだろうけど…。





「神田くんが私のことすきになってくれるように頑張るんだもんっ」



「こういうときだけ無駄にポジティブ…」



「無駄に!?無駄って言った!?」



「言葉の綾よ」



「思ってるくせにー!!」






でもね、私にとって、その日から神田くんは唯一無二の存在なんだよ。










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