気まぐれ男子にご注意ください!
「俺が言った」
「へ、へぇ?」
俺が言った、って。
まったくもってなにを言ったのか分からないけど、それは私の頭のレベルが神田くんに追いつけてないからだ、きっと。
それにしても今日の神田くん、すごいお話ししてくれる気がするのは気のせい?
「へぇって。そんな反応なんだ?」
神田くんとお話しできて嬉しい気持ちを抑えられず、ニヤニヤが顔に出てるだろう私に、つまらなそうにしている神田くん。
そんな反応なんだって残念そうに言われても…私の頭ではなんの話だか理解できなかったんです…。
なんて反論を口に出すことはしなかった。
…んだけど、
「俺が先生に野々宮がいいって言ったのに。ペアの女子」
「……へ?」
次に聞こえてきた神田くんの言葉によって私はフリーズ。
プリーズこの言葉の意味を。
って、下手くそな韻を踏んでる場合じゃなくて!!!
「それって、神田くんも夏休みに私に会いたいって思ってくれてたってこと!?」
「は?ちがう」
私はばかだから、そんなこと言われてはプラスに捉えちゃうんだよ神田くん。
だって、あの神田くんが一緒に係をやる相手を、先生にわざわざ私がいいって言ったんだよ!?
あの、女子にまったく興味ない気まぐれ男子神田くんが!!!
こうなってしまったら、もう否定の言葉なんて耳に入らないんだから!!