気まぐれ男子にご注意ください!






「遅い」


「へ!?え!?」


「寒いから行くよ」


「か、神田くん!?」





朝、8時から話し合いが行われるって聞いてたから、10分前くらいにつけばいいかな〜と思って、予定通り10分前に学校の下駄箱に着いた。

…のはいいんだけど。


自分のクラスの下駄箱に行くと、そこには、壁に背中を預けた神田くんが立っていて。


あろうことか、遅い、なんて、待ち合わせしてる彼氏みたいなことを言われてしまった。


それは…もう、

状況が掴めていないにも関わらず私の胸キュンが止まらないのは許してほしい。





「えっと、えっと、えっと?」


「…」


「私、のこと待ってたんだよね?」





昨日そんな約束したかな?って思い出そうとしてみても、ぜんぜん思い当たる節がなくて。

でも私に限って忘れたとかはありえないし。




もちろん神田くんが発した言葉の一文字も漏らさずに覚えているし、

神田くんから送られてきたメッセージだってもちろん映像としてすぐに思い出せる。


アルファベットの羅列で作られた単語より、歴史の武将の名前より、

私にとっては重要だし、忘れようとは思はないけど思ったとしても無理だと思う。


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