いじめっ子には愛の鎖を






あたしは淳太君を睨み、淳太君も顔を歪めてあたしを見ていた。

そんな淳太君にさらにイラつく。





淳太君は何も分かっていない。

ネタにされている赤木さんと元カノの小林さんなんて、立場が違いすぎる!

あたしがどんな思いで小林さんののろけ話を聞いていたと思うの?

小林さんと並んで歩く淳太君を見ていたと思うの?

そして、「今井君と小林さん、より戻しちゃえばいいのに」「お似合いだ」なんて言葉を聞いていたと思うの?

淳太君は無神経だ。

今まで女性に困らなかったが故の、無神経さだ!






「じゃああたし、赤木さんとご飯行ってもいいんだね?

赤木さんに愛の言葉を吐かれてもいいんだね?」





溢れそうな涙を我慢して、悲鳴混じりの声で叫んでいた。

そのままオフィスへと駆け戻る。

あたしの理性はもはや崩壊していた。

溢れる嫉妬と劣等感でいっぱいだった。


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