いじめっ子には愛の鎖を






赤木さんの言う通りだ。

淳太君はどうしてこんなところにいるのだろう。

まさか……






「赤木さん、藤井を返してくれますか?」




淳太君は静かに赤木さんに言う。

こんな状況なのに、淳太君の声を聞いたら身体が熱くなった。




「返す?

……なんで藤井さんを君なんかに返さないといけないんだ?

だいいち君は、藤井さんに嫌われている」





赤木さんの言葉に、ずきんと胸が痛む。

あたしは淳太君なんて嫌っていないのに、オフィスではそう認識されているのだ。




ここでふと思った。

「小林さんと今井君はお似合いだね」

その言葉に苦しむあたしと同じく、淳太君は「藤井さんに嫌われている」という言葉に苦しんでいるのかもしれない。


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