いじめっ子には愛の鎖を






「お父さん、最近お菓子作りにはまってるんだぞ。

お父さんの苦手な料理っつったらアントルメでな。

今度桃華にも伝授してやろう」




そんなちぐはぐな答えを返すお父さんに、



「お父さん!真面目に答えて!!」



あたしは顔を歪めて叫んでいた。




何を隠そう、あたしはお父さんが大好きだった。

柊君の次に好きなほど。

そんなお父さんに、声を荒げたことなんてこのかた一度もなかった。

だけど……

なおも真剣な面持ちの淳太君にかける言葉が「ケーキでも食べるか?」だ。

そんなお父さんに苛ついてしまった。


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