好きな人が現れても……
困惑めいた表情をした課長は、少し迷った後で、いいよ…と了承してくれた。
「ビールでも飲むか?あっ、でも横山さん酒に弱いか」
冷蔵庫に足を向けようとして止める。
私はいらないけど、課長はどうぞ…と勧めた。
「じゃ…」と言いながら課長は缶ビールを片手に戻ってきて、私が座ってるソファの向かい側に腰掛けた。
押し込んだプルタブの隙間からガスが抜け、課長の唇がそこにあたった。
ジッと見てたら飲みにくいだろうと考え、自分はアイスコーヒーのグラスを手にした。
何から聞けばいいのだろう…と思いつつ、彼に視線を戻した時、壁際に見えたピアノのことにしようと決めた。
ぎゅっとグラスを握ると膝の上に滴が落っこちる。
さりげなくそれをタオルで拭きながら、あのピアノは真央ちゃんが弾くんですか?と訊いた。
「ビアノ?…いや、違うよ」
斜め後ろに目を向けた課長は、感情のこもらない声を出した。
感情のこもらない……と言うか、わざと込めてない雰囲気だった。
「じゃあ誰が?もしかして課長?」
絶対に違うのは分かってる。
私はただ、彼の言葉を引き出したかっただけだ。
「ビールでも飲むか?あっ、でも横山さん酒に弱いか」
冷蔵庫に足を向けようとして止める。
私はいらないけど、課長はどうぞ…と勧めた。
「じゃ…」と言いながら課長は缶ビールを片手に戻ってきて、私が座ってるソファの向かい側に腰掛けた。
押し込んだプルタブの隙間からガスが抜け、課長の唇がそこにあたった。
ジッと見てたら飲みにくいだろうと考え、自分はアイスコーヒーのグラスを手にした。
何から聞けばいいのだろう…と思いつつ、彼に視線を戻した時、壁際に見えたピアノのことにしようと決めた。
ぎゅっとグラスを握ると膝の上に滴が落っこちる。
さりげなくそれをタオルで拭きながら、あのピアノは真央ちゃんが弾くんですか?と訊いた。
「ビアノ?…いや、違うよ」
斜め後ろに目を向けた課長は、感情のこもらない声を出した。
感情のこもらない……と言うか、わざと込めてない雰囲気だった。
「じゃあ誰が?もしかして課長?」
絶対に違うのは分かってる。
私はただ、彼の言葉を引き出したかっただけだ。