いつかまた。【完】
「もう切るから」
「親に向かって何だその態度は!!おい幸子!いつから宝はこうなんだ!?」
親父の後ろで小さく幸子の声が聞こえてきた
「私が何言っても言う事聞かなかったのよ」
ハッキリと聞こえた
私は幸子のその言葉に今まで抑えていたことが爆発してしまった
「黙ってたら好き放題言いやがって…、何が"親"に向かってだぁ?まともな人でもない奴に言われたかねぇわ。元はと言えば全部テメェのせいなんだよ!!だからお母さんに逃げられたんだよ」
「俺は逃げられてなんかない!!」
「ハハ、勝手に妄想でもしとけよ。隣にいる幸子に慰めてもらってさ?お母さんと違って幸子はアンタの事大好きだから安心しなよ。」
「黙れ黙れ黙れ!!!!」
「でも、幸子じゃ満たされなかったから薬なんて使ったんでしょ?どう?幻覚のお母さんは優しかった?」
「ちょっと?!アンタ何言ってるの?私は昌さんに愛されてるわよ!!」
「何を勘違いしちゃってるか知らないけど、アンタはただのなんちゃってなの。幸子だと思って抱いた事なんてそいつ無いと思うよ?」