羽をくれた君へ。
「まぁ、緊張することないよ。だってもう、日本で知らない奴はいないってくらい有名なんだから。」



「智兄。それは言い過ぎだよ。」



「そうか?・・・・・でも、大丈夫だ。みんな見てるからな。落ち着いてやって来い。」


「うん。ありがとう。」


智兄は私の頭をポンポンと撫でた。


なんか、懐かしい感触。


そしてリクさんが私の前に立つ。


「雫。・・・・・お前は色んなことから立ち上がってここまで来たんだ。プロになれるように、お前を紹介したけど、ここまで上り詰めたのはお前の力だからな?それだけは忘れるな。」


「うん。分かってる。・・・・・でも、リクさんのおかげでしょ?」


「まぁな!それもあるけど、・・・・・・・一番お前のために頑張った奴に今日は歌ってやれ。待ってるよ、きっと。・・・・・・・お前が夢を叶えるのを。」


「・・・・・・・・・・魁音。聞いてるかな?」


「当たり前だろ。・・・・・あいつが一番お前の声を聞きたがってんだ。あいつがお前をここまで連れてきてくれたんだ。だから、恥じかかせねぇように思っいっきり鳴らしてこい。」

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