キミとひみつの恋をして


帰り道──。

ジャージやユニフォームから制服へと着替えた私たちは、明日からの試合に備え、会場からそのまま帰宅となった。

駅まではなんとなくみんなで歩いてきたけれど、この辺りに大きなスポーツショップがあるらしく、そちらに向かう組と、帰宅組に別れることに。

スポーツショップには、一条部長が案内係になって多くの部員を連れて行った。

そして、帰宅組はというと。


「チー君さー、嘘でもいいから彼女いるって追い払えばよくね?」


賑やかな結城と。


「それ言ったら面倒になりそうだからやめたんだけど」


興味なさそうな二ノ宮と。


「どうせ、モテたいだけなんじゃん?」


嫌味混じりの三輪君と。


「おおっと、三輪っち乱入。そうなの? チー君」

「違うし。てか結城、その呼び方やめてほしいんだけど」

「いいじゃねーか、チー君」


からかう気満々の䋝田先輩。


「䋝田先輩も。嫌がらせ勘弁だから」


そして。


「美羽ちゃんも呼んでやれよ、チー君て」

「チー君」


調子に乗ってみる私。


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