あの空を越えて逢いにいく。
その時、遠くから声が聞こえた。




「あれー!壱護じゃん!」







声のした方を見ると


桃汰と数人の男子がチャリに乗って、
公園の木々の向こうを通り過ぎようとしてるとこだった。


桃汰は自転車で軽快に木々を通り抜け
俺たちの所にやってくる。




「よぉ桃汰、出かけんの?」

「そう!部活メンバーで遊びに行くとこー」




桃汰はキキッとチャリをとめ、俺の隣を見る。




「あれ?この子誰?壱護が女の子といるなんて珍しいー!」

 

桃汰に絡まれ杏南はビクッと怯えてる。

   


「あー俺に勉強、教えてくれてる奴。名前は杏南な」


「へー?その子がそうだったんだーよろしくね杏南ちゃん!俺は星乃桃汰!トータで良いよー!」






明るい桃汰につられて、杏南も警戒心を緩めたようにヘラッと笑う。



「よ、よろしくお願いします」




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