「強がってんだよ…気づけバカっ。」


〜 湊side 〜


あぁ、宿題おわらない。
、疲れたぁー。
気分転換するか。


そんな、軽い気持ちで外に出た。


なのに、、、


えっ。なんで、、、

綾瀬さんが一人で歩いてくるのが見える。

いやいや、今、何時だと思ってるんだよ。

ほんとに。


「あれっ?綾瀬さん??」

「えっ、、」

「あ、やっぱり綾瀬さんだ!!」


とりあえず、話しかけてみる。

綾瀬さん、あきらかに動揺してる。

なんで?
どうしたんだろ。


「こんな時間になにしてんの?」

「あっ、ちょっと散歩、、です。」

「ふっ、なにそれ。
女の子が深夜に1人で散歩するの?」

「ー、はい。」


いやいや、ふつーしないから。

なんかあったに決まってるだろ。

じゃなきゃ、
深夜に外にいるなんて、考えられない。



なにより、ふつーは親が許さないだろ。


こんなこと聞いたら、
また綾瀬さんを困らせる。



そんなの分かってる。


でも、どうしても知りたくて質問した。

何も聞かないでって、
顔した綾瀬さんを前にして、



俺って
ほんとに、いじわるだ。


ほらっ


やっぱ困ってる、、


散歩。
綾瀬さんがつく必死な嘘
バレバレな嘘。


ごめんね、俺には通用しないから


今まで、女の子の言葉をこれほどまでに気にかけたことはなかった

みんな、これでもかってくらい
自分の感情を伝えようとしてくるから

知ろうなんて、思わなかった


けど、綾瀬さんは自分を隠すから。

知りたくて、、

知りたくて。、、、


綾瀬さんは今、何考えて
そんな悲しい顔してんのか。

知りたいんだ。


「送ってくよ、危ないし。」


「えっ?、ありがとうございます。
けど、大丈夫です。1人で帰りますから。」



やっぱり。
綾瀬さんらしいな


「お願い。送るくらいさせてよ。」


「、、ほんとに大丈夫なので、、」


どこが??
大丈夫に見えないだろ。全然、、

辛いって。苦しいって顔してるの
気付いてないんだ。綾瀬さんは、、


「俺が送りたいからって理由でもダメ?」

「ー、はい。」



送らせてくれない子なんて
綾瀬さんが初めてだよ。

でも、きっと、綾瀬さんのこーゆーとこに
目が離せない俺がいる。


「ふっ、綾瀬さんって頑固なんだね。」


「、すいません、、。」


「ううん、わかった!
じゃあ、連絡先だけ教えて欲しいな。
やっぱこんな夜遅くは心配だし、
ちゃんと家ついたらLINEしてくれる?」

「、えっ!」


送ってあげられないなら。せめて、、
綾瀬さんにもしなんかあったらって考えるだけで、眠れそうにない。

「そしたら、俺も安心できるんだけど、
ダメ?」

もう一度、念押しして、
逃げ道をなくした

ごめんね、、

でも、綾瀬さん、断りそうだから

「あ、いえ。ダメじゃないです。」

「はぁー、よかった!!ありがとう!」

綾瀬さんの連絡先

ほんとに俺が欲しかったのって
これだったのかな。

そう考えると、ほんと、
こんなに綾瀬さんに夢中な俺自身が
恥ずかしくてたまらない


どうしたんだよ。 俺、、





「はい!できた。じゃあまた明日ね。」

「あっ、はい。また。」

「気をつけて帰りなよ?」

「あ、ありがとうございます。」
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