「強がってんだよ…気づけバカっ。」


「っ、、‥‥、」


楠木くんの真剣な瞳に捕まって
何も言葉が出てこない


「何かあった?、、」



酷く優しい声が聞こえる。



その声は私を安心させてくれる。

大丈夫だって。

だからいつも楠木くんには話してしまう‥
頼ってしまう。ダメなのに‥、、


頭では分かってるはずなのに‥
それなのに‥、、、

心が、、体がっ、、言うことを聞かない。



せっかく築いた、高くて強情な壁が、、
楠木くんを前にすると簡単に壊れてしまう‥




「っ、、うぅ、、んっ、っ、、」



だめ。、、ダメ、 、。駄目!!!


泣きたくなんかない。
泣いちゃいけない。


なのに、。なんでっ??、、



なんで、、止まってくれないのっ!!!!




悔しくて、悔しくて、、、
手で何度も、何度も、、拭った。


こんなところ、、楠木くんに
見られたくないのに‥。






「っ、、綾瀬さんっ。」


そんな優しすぎる声と同時に
引き寄せられる体


楠木くんの大きい体に包まれて
身動きなんてできなくてっ‥


ただ、触れてるだけで温かくて、、

優しくて、、安心した。
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