私は対象外のはずですが?~エリート同僚の甘い接近戦~
「服装じゃなくて俺が気になったのは、靴」

靴……?

「……え?」

「あんなペタペタしたサンダルだと、もし夜道で誰かに後をつけられたら、走りにくいし、すぐに追い付かれて危ない。暑くても夜ひとりで歩く時は走りやすい靴の方がいい。気を抜くなよ」

「……はぁ……」

自分の思っていたのとは違う方向に話が進んでいき、私は無意識で気の抜けた返事をしていた。なんだか、先生か親に注意を受けている気分。

すると、主任は少しだけ首を前に傾けて私に顔を近づけると、口角を上げた。

「別に、すっぴんでメガネで女を諦めたような服装だったことは特に印象に残ってない」

「な……!」

なに、その腹立つ表情! 思いっきり印象に残ってるじゃん! 女を諦めてるとか……まあ、当たらずとも遠からずだけどさ、女子にそんなこと面と向かって言う!? 見た目爽やかだけど、中身嫌なヤツかもしれない……!

思わず眉根を寄せたところで、ちょうどホールにエレベーターが到着した音が響いた。主任は振り向くとそのまま乗り込み、私もそのあとに続いた。もちろん、対角線上に最大限の距離を取って。その間に、他の社員がぞろぞろと乗り込んで隙間を埋めていく。

なんか、モヤモヤした気持ちだけど、もういいか。これで、この人に近づくことはない。もちろん、向こうもそうだろう。それよりも、私は終業後に真由と食事に行ける楽しみの方に、意識を持っていくことにした。

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