幼馴染の彼~あの日の約束~
幼馴染の彼

噂の彼


「あ、そうそう。智ちゃん、今度東京の本社勤めになるんですって、すごいわよね!」
 

 久しぶりの自宅での夕食時に、お母さんがやや興奮気味に話出す。
 
 お父さんはビールを片手に「そうかぁ」と返事して、私はおかずを食べながら「ふーん」とそっけなく返す。それでも、お母さんは気にすることもなく、「エリートまっしぐらって感じね!」とまるで我が子のことのように嬉しそうに話を続けた。
 

 話題の人である「智ちゃん」こと、秋本智弥(あきもと ともや)は幼馴染。といっても、仲良くしていたのは小学生の時までだったけど。
 

 出会いはうちのお母さんの出産がきっかけだとか。たまたま出産した産婦人科で1日早く出産していた智弥のお母さんと出会い、家もご近所ということもあってか、2人は姉妹のように仲良くなっていった。
 そのうち、家族ぐるみで仲良くなって休みの度に一緒に出かけたり、夏休みには旅行に行くようにもなった。
 

 智弥とは物心ついた頃から一緒にいたせいか、幼馴染というよりどちらかといえば兄妹のような存在に近かった。いつも一緒にいるのが当たり前、お互いの家を行き来したり、一緒に寝たりしたこともあった。
 
 

 

  
 
 
 
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