幼馴染の彼~あの日の約束~
そんな関係も小学校4年生の春、智弥のお父さんの転勤がきっかけで会う機会がどんどん減っていったが、それでも小学生の時までは、家族旅行も兼ねて夏休みに会いに行ったり、遊びに行ったりもしていた。
中学にあがってからは、部活や友達の付き合いもあって中々会えなくなり、私と智弥はどんどん疎遠になっていったが、母親同士は連絡しあっていたため、何かイベントがあるたびに。
「智ちゃん、〇〇高校入学ですって!頭いい子は違うわね~」
「智ちゃん、K大入学ですって!すごいわ~」
私だって地元じゃ有名な進学校に入学したし、大学だって短大だったけどそこそこの大学行って、今は女子の間じゃ羨ましがられる会社へと入社した。
仕事だって頑張りを認めてもらえたから、それなりのポジションにいるし、合コンだってエリート会社がお相手してくれるし。
今の生活に満足できているはずなのに、お母さんの智ちゃんネタを聞かされるたびに、モヤモヤするようになって私は3年前に会社から近いマンションへと1人暮らしを始めた。
たまに呼び出されて、時々自宅で夕食たべたり泊まったりするけど、そのたびに智ちゃんはつきもので会話がそっけなくなってしまうのは仕方がないことだと思う。
私的には、あぁ、また始まったかと思う程度の内容だった。