幼馴染の彼~あの日の約束~
 何故か、智弥も一緒になって私と同じ方向へと歩き出した。
 え、マンション目の前だよ?

 首を傾げると、智弥は軽く笑った。

「送るよ、遅いし」

「大丈夫よ?このくらいの帰りの時もあるし、ここから10分かからないし」

「送らせて」

 半ば、強引に言われれば断ることもできなくて、じゃあとお願いをして歩き出す。
 なんとなく緊張するのは何故だろう。

 智弥の住むマンションから角を2つ曲がって小さな公園を過ぎれば、私の住む小さなマンションがあった。
 小さなマンションとはいったが、そんなに小さいわけでもない。ただ、智弥のマンションと比べてしまえば小さく見えてしまうのは仕方ないことで。

 その先に見えるコーポなんて、どう説明すればいいのか悩んでしまうわ。

「・・・ここ・・・の2階に住んでます」

「なんだ、ほんとに近いじゃん」

「だから、大丈夫って言ったでしょ」

 へぇ~とさして大きくもないマンションを智弥が見上げる。なんか差がありすぎで、恥ずかしくなってしまう。

「わかった。じゃあ、お疲れ。明日も仕事頑張れ」

「そういう、智弥も頑張れ」
 
 彼は元気よく、来た道を戻っていった。
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