幼馴染の彼~あの日の約束~

 智弥と最後に会ったのは小学6年の時。智弥のお父さんの転勤先だった長野へと旅行に行った。ログハウスへ宿泊してバーベキューしたり、近くの山へハイキングに出かけたりと楽しかったと思う。
 
 それよりも一番印象に残っているのは、小学4年の引っ越しの時だ。お互い何も話せなくて・・・何か言ったら泣いてしまいそうで。俯いてぐっと我慢していたら、智弥が「これ」と言って黒猫のぬいぐるみを渡してきた。
 
 それは旅行先のアミューズメント施設で買ったペアのぬいぐるみだった。
 
 私は白猫、智弥は黒猫を買って持っていたが、この日交換しようと約束をしていたから。
 私は白猫を抱きしめていた。黒猫を受け取り、白猫を渡す時、智弥の顔を見たら目が真っ赤だった。私と同じ目をしていると思ったら、私は我慢しきれなくなりポロポロと泣き出してしまうと、

「バカ、泣くな。いつでも会えるだろ、また会おうぜ!」

 私の頭をガシガシとやや乱暴に撫でてくれた。
 
 黒猫のぬいぐるみはいつでも傍に置いてある。一人暮らしを始めた今でもずっと一緒だ。かなり年期がはいっているため、買った当初はフサフサだった毛も今ではへなれてしまったが。


 あれから14年、智弥はどうなっているだろう。
 
 そんなことを考えながら、私は眠りについた。
< 5 / 90 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop